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2008年11月14日 (金)

Memory of 19 Vol.5・・・

Younger Brother-Ribbon on a Branch

先輩と待ち合わせしている居酒屋では無く

彼女が案内してくれた居酒屋で食事をしながら

彼女の勧めるままに、まだ慣れてもいない酒を口にしながら

先ほどの、電話越しにしゃべりきれなかった会話を、お互い楽しんだ・・・。

 

私の歳より7つ上だという彼女は

その当時の私から見ると、それはとても大人の女性に見え

お酒の効力が、今より数倍も早く効いてしまっている若造の私は

美しい大人の女性を目の前にして、二人きりでいるこの時間が

何より初めての経験であり

そしてこの、夢のような時間が、いつまでも続いてほしいとばかりに

私自身のことを語るよりも、彼女の話すことだけを

赤ら顔につくりのない笑顔で、ただただ楽しく聞いていた・・・。

いや正確に云うと、今でもその時の会話の内容は

ほとんど思い出すことが出来ないので

想ったより酔いのまわるのが早かった心と体は

その場の雰囲気を壊すまいと一生懸命にとりつくり

初めて経験するこの時間と雰囲気に

ど~しても、この後の展開を期待せずにはいられず

そんな若さゆえの、極度の緊張から来るものを

ただ見破られないようにしていただけなのかも知れない・・・。

きっとその時の光景は今思い返しても

どう見ても不釣り合いな男女にしか見えない、不自然な二人だっただろう・・・。

それでも私は心から、彼女との会話を楽しんだ。

それはこの日、この時が

初めて逢った二人とは、まるで感じさせることのないようにと・・・。

 

「ねえ。これからどうしようか?」

どのくらいの時間、どのくらいの酒を飲み

そしてどのくらいの会話を楽しんだだろうか?

楽しい会話の途中で、そう切り返してきたのは

目の前にいる、美しい大人の女性にしか見えない彼女からだった・・・。

どう答えていいか解らなかったが

私は、若さゆえの餓えを抑え込むようにしながら

少し間を空けて素直に答えた・・・。

「お・・・お任せします・・・。」

私の答えがすでに解っていたのか、彼女は少しの間も空けず返答した。

「それじゃ~、ここから出ましょ。」

 

目一杯の大人の男を演じてもみたが、そんな無理はしなくてもいいとばかりに

この居酒屋の会計は、私がトイレに行っている僅かな時間の間に

すでに彼女が済ませてくれていた。

そして、私も彼女の言うがまま彼女の好意に甘えた・・・。

建物の外に出ると、仙台の秋の冷たい夜風が

慣れない酒に暖められた私の体に、十分過ぎるくらい響いた・・・。

すると、姉が弟の心配をするように

私の様子をうかがいながら、彼女は私の手を取り、言う。

「んじゃ、行こ。」

さっきまでの、居酒屋でのおしゃべりな彼女が嘘だったように・・・

何もしゃべることなく、ただ「寒いね」、とだけ呟いた彼女は

何故か歩く進路に、何の迷いを見せることなく歩き続けた・・・。

私はそんな彼女のぬくもりを、酒以上の酔いを覚えるほど体に感じてしまい

高鳴る心臓が破裂しないように祈りながら

ただ黙って彼女に従って歩き続けた・・・。

 

そして二人は繁華街を通り抜け

人通りもまばらな、ある路地に辿りついた。

その路地の周辺に私は初めて訪れたが

何故か記憶にある場所であることに気が付いた・・・。

そう。そこは先輩が教えてくれた街の繁華街のはずれにある

今でこそは「ブティックホテル」と呼ばれる、ホテルのある通りである・・・。

ぴたりと寄り添い歩く彼女に悟られまいと

頭をキョロキョロさせることも出来ない私は、眼球の動きだけで辺りを見回し

高鳴る心臓が、震度4から一気に震度7まで跳ね上がる動きになった・・・。

そして彼女は何も言わぬまま

その路地にある一つの建物の中へ

何も抵抗する素振りも見せない私の腕を

細い両腕で抱えるようにしながら足早に引き入れたのである・・・。

この時私は

微かに震えていた私の腕の動きを

絶対彼女に悟られないようにと、ただそれだけを考えていた・・・・・。

 

 

 

 

Vol.6に続く・・・・・

 

 

 

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2008年11月12日 (水)

Memory of 19 Vol.4・・・

Foo Fighters-Let It Die

「黄色いバックとクリームのジャケット・・・黄色のバックとクリームのジャケット・・・」

私は教えてもらった彼女の特徴を、一人つぶやきながら

商店街の人混みをかき分けるようにして

足早に待ち合わせ場所へと急いだ・・・。

途中、時間を気にすると

待ち合わせの時間まで十分時間があったのだが

若気の至りが足を速めているのか、何より先に結果を知りたいが如く

それとも何かの呪文が効いているのか

ぶつぶつと呟く魔法にかかってしまった木偶人形のように

兎に角夢中で、街中を小走りに進んだ・・・。

 

そんなこんなで待ち合わせ場所に辿り着くと

その場所は、まだ仙台の街をよく知らない私すらも唯一解るくらい

とても解り易い有名ビルの、その前の通りである為か

週末は土曜日の、日暮れ後の人の数の多さが

あれだけ足早に行動していた私の動きをピタリと止めさせ

その場でしばし呆然となり、半口を開けた私の顔と頭は

ただただ左右にゆっくりと、回りをうかがうことしか出来なかった。

「うっそ~ん・・・ひ・・・人が多すぎだろ・・・ここ・・・。」

半泣き声で、思わずぽつりとつぶやいてしまった・・・。

兎に角、それらしきひとを探さなくては・・・。

と、それとなしに周囲を見渡す。

交差点向こうの時計柱に目をやると

時刻は約束した時間まで、あと5分ほどであることが解り

もしかしたら、もうこの人混みの中にいるのかも知れないと思い

ぶつぶつと呟いてきたあの言葉を、今度は祈りを込めながら

頭の中で何度も繰り返しながら周囲を見渡す・・・。

 

そうこうしている間に、時刻は待ち合わせの時間となった。

数分間だが、この人混みを観察していて気が付いたことがあった・・・。

繁華街の真ん中辺りにあるこの場所

とても有名なのか、人と待ち合わせするには十分の場所ってことで

あっち向いてもこっち見ても、そこらじゅう人を待つ人だらけ・・・。

いや、自分がそんな状況だからそう見えてしまったのか

ビルの店舗の入り口を避けるように、ただただ突っ立ている人が

兎に角、めちゃくちゃいることが解った・・・。

なので、私は

そのただ立って、人を待っているような女性ばかりが目に付き

もしかしたら、私の様子をうかがうために

違う服装で来ているかも知れないと思うようになり

そうなると

この場所にいる全ての女性が、電話の彼女に思えてきてしまった・・・。

そう思うと、頭の中から順に行動もテンパってしまい

わざと人を探しているような大げさな態度をしながらも、それでいて

それとない特徴の女性を見つけても、声をかけることもできなく

終いには交差点を渡り反対側の方まで行って、キョロキョロしながら

不審者のように歩いては、立ち止ったりしていた・・・。

で、時刻を気にすると

約束の時間より15分ほど先を、長い針は指していたのである・・・。

 

「や・・・やられた・・・。」

と思った・・・。

こんなことは初めてのことだと、電話越しで言ったのが悪かったのか

不審者のように、不審に辺りを見渡していたのが不味かったのか

それとも最初から、ただからかわられていただけなのか・・・

ようような想いが私の頭の中をかけめぐった・・・。

私は大きく肩を落とし、しょぼくれながら

この結果に、どうしても想像してしまう、ニヤついた先輩のデカイ顔を

この現実と一緒に振り払うように、頭を大きく左右に数回振った・・・。

そして、先輩と待ち合わせたこの近くの居酒屋に

ゆっくりと向かうことにした・・・。

 

さっきまで何回も、私が行ったり来たりしていた

電話の女性に指定された待ち合わせ場所を、静かに通過し

小さな路地を普通に通り過ぎた・・・。

と、その時

背後から不意を衝いて聞こえた女性の声が、私の動きを止めた・・・。

「あの~・・・。」

え?っと思い、何も考えずに振り向くと

そこには薄黄色いバックと、クリーム色のジャケットとスカートの

髪の長い、綺麗な「お姉さま」が、一人立っていたのである・・・・・。

 

 

 

Vol.5に続く・・・・・

 

 

 

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2008年11月10日 (月)

Memory of 19 Vol.3・・・

Radiohead-Reckoner

たわいもない会話を、どれほどしていたのであろう。

受話器の向こう側に確かに存在する女性は

当然顔すらも知らず、会話をするのも今日が初めてのこと。

それはどちらもお互い様であるハズなのに何故か妙に会話が弾んだ気がした・・・。

こんな想いで会話をしているのはきっと私だけだろうと思った。

受話器の向こう女性はこういったことに慣れていて

しかも私はこんな場所に初めて訪れ、こんな経験も初めて

更にはまだ何事も大人としての行動は経験不足で、例え親元を離れていようと

社会のなんたるかにも触ることすら経験していないような

どこからどう見ても、田舎もん丸出しの

高校生のあどけなさが取れてもいないコゾー当然のガキである。

いや、それすらも理解できていなかったかも知れない。この時は。

そんな自分の立場を認めたくはないが

こんな世界も社会勉強の内かもと、ただそのくらいだけ認識していた部分もあった。

緊張がほぐれ、少しだけ冷静さを取り戻していくうちに

きっとからかい半分、もしくは時間潰しの相手をさせられているのだと

妙に楽しい会話の最中も、何処かでそんなことを考えながら

時間に身を任せ、楽しませてもらっていた。

そんな想いを吹っ飛ばす彼女からの一言を聞くまでは・・・・・。

 

「ねえ・・・。もし時間があるなら今から逢わない?」

痺れた・・・。

この彼女の一言は受話器を通して耳の中から頭の中を駆け巡り

体中を廻りながら手足の先まで痺れさせるほどの呪文となった・・・。

「はぇえ?」

呪文によって痺れた口からは、聞き返そうとした返事が

声が裏返ってしまいなんともお粗末な声を上げてしまった。

「別に、無理なら構わないんだけど・・・。」

次なる呪文で一瞬のウチに我に帰る。

「あっ!待って待って!大丈夫・・・。たぶん大丈夫!じゃなくて、絶対大丈夫!!」

先ほどまでの冷静さを一瞬で失い、そう答えたあと

今度はほんの一瞬だけ先輩の顔が浮かんだりもしたが

その返答には、何の根拠も理由もへったくれもなく

とっさに口から出てしまった・・・。

「じゃぁ~、何処かで待ち合わせね。」

また痺れた・・・。

受話器の向こうから待ち合わせの場所を指定してくる彼女の呪文を

私は手元にあったメモ用紙に少し震えながら必死にメモを取った。

彼女の言葉をメモしながら私は想っていた。

これが社会経験であり、なんとなく魅惑の大人の世界に今触れているのだと。

実際の話、少し冷静な自分もいた。

ここ仙台の地に来たばかりで、彼女の指定する先の場所など

全く解るハズもなかったワケだが、つい数分前に

失礼は承知で、彼女との会話のネタにしてもらっていた

この電話を取ってくれた先輩に聞くから大丈夫とも言ったし

本当にその場所に現れるかどうかも解らない状況も容易に想像できた。

「それじゃ~、絶対来てよ!待ってるから!」

「おいおい。オレは絶対行くよ!そっちが絶対来てよね!」

と、最後になるかも知れない言葉を交わし私は受話器をそっと置く・・・。

「おぉぉお~りゃぁぁあ~!!!」

ガッツポーズと共にわけのわからぬ歓喜の気合を叫んだ瞬間

両隣の部屋から壁を蹴る音と罵声が聞こえた。

「うるっせ~ぞっ!!」

その声にすぐ現実に引き戻され、狭っ苦しい部屋で更に小さくなり謝った・・・。

「す・・・すいません・・・・・。」

 

さあ困った。いや、正確には何も困っていない。

もう何が何だか落ち着かなくなり、ズボンのベルトを締め直してみたり

財布を出したりしまったりしている。

で、少し考えた。タイマーの時間を見ると残りは僅か2~3分程度・・・。

兎に角、ことの次第を先輩に告げなくてはならない。

と、思い立ったらすぐに自分の部屋を飛び出し

先輩が居るであろう同じつくりの小部屋のドアの前に立ち

少しだけ耳をあて、先輩の存在を確認するとコツコツと軽くドアをノックした。

受話器を抱え、満面の笑み顔をしながらドアを開ける先輩の姿があった。

先輩の顔をよくみると、口元は緩みながら会話を続けて

私に向けた眼は間違いなく睨み付けていた。

そして、慣れた手つきでメモ用紙にペンを走らせると

かろうじて読めるようなあからさまに汚い字と解る文字で

「もうすぐ終わるから待合室のロビーで待ってろ」

と書いてあった。

私は静かに細かく何度もうなずき、そっと先輩の部屋のドアを閉めた・・・。

 

「で、どうだったよ?」

子汚い雑居ビルの2階にある怪しい店舗、通称「テレクラ」と呼ばれる

店の入り口にある3人掛けのソファーの上で

落ち着きなく貧乏揺すりをする膝の上に、更に片肘を付き頭を乗せていると

その顔面さえも揺れに揺れ、そのまま視線を声の方に向けると

まるで大地震に一人だけ仁王立ちしているような先輩の姿が目に入った。

揺れ続ける私の顔を観て先輩がまた口を開く

「おいっ!すっげ~揺れてるけど、大丈夫か?」

ふと我に帰って背筋を伸ばすと目の前に先輩が立っていた。

「あっ!先輩、おちかれっす!!」

まだ動揺しているのか、激しい貧乏揺すりにまだ脳が揺れ続けているのか

「お疲れっす!」といいたいところをかんでしまい

「おちかれっす!」となってしまった・・・。

とたんに、間髪入れずに私はしゃべりだした。

「先輩聞いて下さい。オレ、あの先輩が取ってくれた電話の子とかくかくしかじか・・・。」

ことの話内容を所々かいつまんで、ほぼ全容を一気にまくしたてた・・・。

「んで、アポは何件取ったんだ?」

と、先輩は切り出した。

「えっ?・・・えぇぇ~っ???」

そうだっ!と思った。限られた「テレクラ」での60分という長きに渡る時間の中で

アポが一つしか取れないとして、もしその一つが失敗した時は

それはあえなく敗北を意味し、夢は夢のまま終わりを告げるのみである・・・。

「で、せんぱいは・・・・・。」

様子をうかがうように

そして自分の失敗を認めるように私は小さく囁きながら聞くと

「オレは4件!!」

どうだ参ったか!と思わせるその口ぶりに私は思わず声が出た。

「おォォォお~っ!!!」

普段は稽古中に袖を交えても、強くも何とも思ったこともないこの先輩が

この時ばかりはまるでオリンピックの金メダリストのように私は見えた。

「先輩、マジすげっす!!」

素直な感情と思いを込めて、初めてこの先輩を認めた瞬間だった・・・。

そしてこの後、この子汚い雑居ビルから外に出て

先輩から丁寧に私の待ち合わせ場所までの説明を道すがら教えてもらい。

なんとそこから一番近い「ホテル」の場所までをもご教授して頂いた。

更に、お互いことが済んだら軽く一杯飲んで帰ろうと

先輩との待ち合わせ場所まで決めて

待ち合わせ時間が近づいている私を急かし

何かあったら困るからと、自分の財布から諭吉を1枚取り出し

「これはお前の餞別代りの祝儀だと思ってもって行け!」

なんて云って手渡し、遠慮しながらも私は両手でそれを受け取ると

「先輩、オレ、先輩について行くっす!」

と、普段心にも無いことが思わず口からこぼれてしまった・・・。

かくして、お互い振り返りながら手を振りあうと

先輩の姿が見えなくなったとたん、私はおもいっきりダッシュをぶちかまし

電話越しの声だけしか知らない女性との

待ち合わせ場所に向かったのである・・・・・。

 

 

 

Vol.4に続く・・・・・

 

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2008年11月 6日 (木)

Memory of 19 Vol.2・・・

Radiohead-Let Down

まるで、まばたきや呼吸さえも気を使うくらいの

マヌケな状況の中のマヌケな姿の二人・・・。

この時の1秒は、在り来りかも知れないが

本気で1分位に感じらるくらい苦痛極まりないほど遅く時間が流れた・・・。

で、そんな状況で更に待つこと数分・・・。

着信のランプが光るのと同時に先輩の右手が静寂を破る・・・。

この小さな電話器、正面右サイド横側に、縦一列に並ぶいくつものボタンがあり

その一つ一つにランプが付いていて

着信の合図と共に緑色の点滅となり

この緑色の点滅が点灯状態になると

それが成功の合図となると同時に、通話が出来ていることを意味する・・・。

そして、この緑色の点滅がそのまま赤い点灯状態になると

この電話器以外の、ほかの部屋の誰かが一早く取ったことになり

それはすなわち「通話失敗」を意味するのである・・・・・。

 

で、その一発目・・・

先輩の表情は、普段柔道の試合で観ることがないような鋭い眼光と

その神業のようなボタンの早押しに私は圧倒された・・・。

で、結果、「」で、失敗する・・・。

「ぐあぁ・・・。今日、メチャメチャ早い奴がいるぜ・・・。」

私には全くわけのわからないそんなセリフを吐く先輩に

私も心の中で小さく叫ぶ

「(いやいや。あなたさまも十分早いっすよ・・・。)」

この先輩、失礼を承知で云わせてもらうと

柔道の試合や稽古では、決して「強い」ランクではなく

普段の練習でも全くやる気も魅せず、ただこなしているだけという存在である。

そんな先輩の

「(こんなライバル意識や闘志を剥き出しにすることがあったのか?!)」

「(いやいや。こんな「本気モード」の先輩の姿は初めて観た!!)」

ってな先輩の姿に先ず驚かされた・・・。

で、かんぱつ入れずに着信2発目・・・

これまた私には本当にコンマ数秒の違いかどうかの判断も出来ないくらいの差で

惜しくも「」、で、失敗・・・。

「あっ~くそっ!・・・次は負けね~ぞ!!・・・」

この人のこの湧きあがる闘志は一体何なんだ?!

と、私は思いつつも、口には絶対に出せず

二人またいつものセットポジションへ・・・

で、すぐさま3発目・・・で、これまた失敗!・・・

「あ~っ!くっそっうぅぅっ!!」

今度は先輩より先に私が悔しさを声に出した。

いや、これは私が別に悔しいうんぬんではなくて

失敗の後にやってくる、あの呼吸も許されぬくらいの

わけのわからない閉鎖された二人の空間にいい加減耐え切れず

思わず口から出てしまったのだ・・・。

「だよな~・・・。」

そして、二人の気持ちは全く違うハズなのに

この先輩もわけのわからぬ相槌で答える・・・。

そうこうして、やっと次の4発目にきて、初めて成功した。

ボタンが初めて「」に点灯したのである。

これには二人で同時に声を出してしまった。

「ヨッしゃーっ!!」

で、思わず二人で握手なんかするくらい喜んでしまったので

受話器を持つ私は、受話器の向こうの人間のことなど忘れてしまっていた。

「ハあっ!!」

っと先に気が付いたのは先輩で

喜び顔から一変、口をつむんでわけのわからぬゼスチャーを用いて

私に合図を送ってきた。

「ハあっ!!」

私も思わずここで気が付き

先輩と同じ悲鳴のような短い叫び声をあげてしまった。

で、少し冷静になり受話器を耳にあて、とにかく何を言っていいのか解らず

「こんちは~!」

と、緊張もする間もなく目一杯の撫声をつくり挨拶をした・・・。

「ツーッ・ツーッ・ツーッ・・・・・」

受話器の向こうの無機質な機械音に愕然となり

そのまま声を出さずに隣で暴れるようにゼスチャーを繰り返す先輩の耳元に

その受話器を当てた。

巨大なにやけ顔が真顔に変わり、「ガクンッ!」と顔を落とす先輩・・・。

下を向いたままの先輩から指導が入る

「おっまえよ~・・・!こんちは~。じゃなくて、こんばんわぁ~。だろ?!」

えっ?そこっすか?とも思ったが、確かに外は暗くなっていて

先輩のおっしゃることも、ごもっともであると感じたので一応謝る・・・。

「すませんっ!!」

しっかりと両膝に両手を付き、姿勢を正しながら深々と頭を下げる私に

「よしっ!次いくぞっ!!」

と、また先輩は臨戦態勢をとる・・・。

なんと頼もしい先輩だと、この時初めて見えてしまったから不思議だ・・・。

 

こんなことを幾度か繰り返し

落胆と笑顔を繰り返す中で、私のあいさつに普通に答えてくれた女性に繋がった。

何を話してよいか解らなかったが

受話器の向こうのとても優しく感じさせる声の雰囲気に

私は何故か確信めいたモノを感じ

自分のことのように声を出さずに喜んでいる隣の先輩に

「大丈夫っす!」と声を上げずにゼスチャーで答える。

すると先輩はすり足見事に、物音ひとつ上げずこの部屋から姿を消した・・・・・。

 

 

 

Vol.3に続く・・・・・

 

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2008年11月 4日 (火)

秋の中休み・・・

Radiohead-Jigsaw Falling Into Place

波が無いですね・・・・・

・・・・・

・・・

てなことで

波乗りに全てを奉げているくらいな方達にとっては

頭を掻き毟るのも面倒になるほど

退屈な時間が訪れていたであろうこの連休・・・

そんな人も、そ~んなことない人も

涼しさと寒さがすっかり入れ替わる時が分かるような陽気で

最後の休日を過ごしたのではないでしょうか?

 

んな世の中の連休中

私は土曜日だけ長男と朝一海に入り、あと仕事。

059 んで次の日の日曜日は

朝一から今度は家族総出で、静岡方面へ向かい

「大道芸ワールドカップin静岡」

なるイベントに初めて訪れて参りました・・・。

これは、静岡県民なら誰もが承知的な、ご当地発信の集客イベントであります・・・。

たぶんここ何年かだと思うのですが・・・。

で、わたくしは

恥ずかしながら、静岡県民であるけれど、この広い静岡県

(こんなに広いのに何故か新幹線はのぞみはおろか、ひかりさえスルーしてしまう。。。)

東部地区方面の更に伊豆に住んでいると

ど~も中・西部地区の催しに行く機会がなく、疎くなります・・・

(静岡県はその広大さゆえ東・中・西部地区に分別して地域イベントにおける活動がなされています・・・。)

まっ、これは私に限ってのことでは無いとも思いますが。

んでも

県の民放TVから繰り返し伝えられる取り上げ効果により

その効力に見事にやられた私と子供達が

突然の思いつき同然の形となり

そんなこんなで家族そろって足を運ぶことになったワケです・・・。

069 で、このイベント・・・

人の数は恐ろしいくらい半端ないっす・・・。

しかも

事前にことを少しでも調べて予習してきたりも何もしていない私達家族は

おもいっきり解らされるほど歩き通しでした・・・。

とても、とても、一日でことを済ますほど簡単なイベントではありません・・・。

つか、全く大道芸をゆっくり堪能する機会に恵まれません・・・。

何かしらことが起きたような人だかりが出来たかと思うと

すぐその場その場が「舞台」となり

少しでもいいとこに居なければ、先ず観れない・・・。

慣れたローカルや達人の方々は、脚立片手に高見を決め込み

人だかりに遅れた私達のようなビギナークラスは

もう観ることは勿論、群衆の中に入る余地すらも与えてもらえません・・・。

もう「苦虫」噛みまくり状態・・・。

056でも、逆に云えば

このイベントに来る、ここの大道芸人達の魅せるパフォーマンスは

それほど凄いものであり

そのほとんどのパフォーマンスが無料で

しかもイベント会場以外の市街地でも観ることができてしまうってのは

感動以外何物でもないことが解かります・・・。

苦労して、交代でコゾーらを抱え上げ

やっとの想いでそのパフォーマンスを観せてやり

くたくたでボロボロに成り果てたお父さんとは全くの別行動で

たま~にしか来れないからと云って、「街」での単独ショッピングを決め込み

「街」のビルディングに

一人ご機嫌で姿を消していった嫁さん・・・。

彼女は父のその苦労を知ることは無いだろう・・・・・。

・・・・・

・・・

 

で、疲れ切った体もなんのそのと

翌日は

横浜に住む、姪のピアノの発表会を観るため

朝から、これまた家族総出で向かいました・・・。

で、向かう姪達の住んでいるところが港北ってことで

027 も~うここは前々から来なくてはと、想い続けていた「IKEA」さんへ

仕事のリサーチがてらでありますが、足を運んだのです・・・。

凄いっすね。ここ。

普通に家具屋の常識を覆していました・・・。

キャパシティは勿論、その品の多さ、価格、展示方、どれをとっても

広い、安い、凄いの三拍子で

人が沢山訪れる理由、分からされました・・・。

それより何より、「商売」としてのヒントやら何やらが目白押しで

とても歩き疲れましたが

「仕事」としての勉強に大変参考になりました・・・。

ここは、またじっくり訪れたいですね・・・。

大道芸も、勿論リベンジします・・・・・。

・・・・・

・・・

001 つーことで

とっても可愛い姪っ子と

この日の為に一生懸命練習を重ねてきたであろう

子供達の純粋な姿に

一人、ひとしきり感動し、涙さえ浮かべて

バタバタの連休を締めくくりましたが

疲れ果てた体にムチ打つように

高速を飛ばし帰る途中で

前の車が覆面パトカーに追いかけられて行ったのを観て

ほっとしたのもつかの間

高速から降りて地元近くに着いた途端に

胸の気持ち悪さと、腹の具合悪さとに同時に襲われ

私以外に、車に乗り込んでから10分もしないうちに

誰も起きてはいない車内状況の孤独に

車を停めたら、もう帰れないかも知れないくらいの想いになり

兎に角、家まで車を走らせ

何とか我が家の厠まで、あらゆる「出し気」を我慢しきった私・・・。

冷や汗を滲ませ、しゃがむ便器の上で

疲れ切った足の膝に手をのせ、考えていたことは

「波はなくても、海にいるのが一番落ち着く・・・。」

と云う結論・・・と

腹の激痛に苦しむ車内から一人

信号待ちで眺めていたパチンコ屋さんの電光看板が

「今日の魚座は星5つ!!」

なんて書いてあったことを思い出し

ある意味、ここにギリギリ間に合ったこと事態が

「星座運勢ランキング上位」であった理由かも知れない・・・と

そんなことを思い知らされたような

波に恵まれない日が続いた、秋の連休でありました・・・・・。

 

 

 

次回は・・・

このままでは

まずいくらい不調に終わるかも知れない

「シリーズ連載」の続きです・・・・・。

 

 

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