« Memory of 19 Vol.7・・・ | トップページ | 皆さん良いお年を! »

2008年12月25日 (木)

呪われた夜の日・・・

Dsc0033412月の年の瀬、24日の夜

私の親父は暮れの忙しさのために

家にいて、家族と一緒に食事をする姿を

幼い頃の私はただの一度も見たことがなく

母親に至っても、稼ぎ時であるこの日の夜は

近所のお肉屋さんに注文してあった「チキン」と

簡単に作っただけの料理を置き、慌しく家を飛び出していった・・・。

私は残された祖母と二人で夕食を囲み

どうやって食っていいのか分からない「チキン」を、二人目の前にして

「こんなもん、わしに食えるわけがねぇ~・・・。」

と、文句をたれる祖母は、簡単な料理だけ手をつけ、夕飯を手早く済ませると

とっとと寝室に行ってしまう・・・。

残された私は独り、面白くとも何とも思わなかった特番のTVを観ながら

「チキン」を頬張り、簡単な料理を口にし

孫の私を、目に入れても痛くないほど可愛がっていた離れて暮らす父方の祖父が

サンタになりすまして、届けてくれるプレゼントの中身を

おもいっきり冷めた気持ちで想像しながら

嬉しい気持ちや浮かれた気分など、少しも芽生えることはなかった・・・。

何故なら、幼い私に毎年訪れるこの日の夜の仕打ちが

全く文化の違う風習を押し付けられただけのイベントを

何故かやたらと騒がすオメデタイこの国の世間のおかげで

普通の外国人さえ見たこともないのに

尚更実感のない外国の、わけのわからないじいさんがわざわざ日本に訪れて

この現実を打破してしくれるなんてことは

子供心にこれっぽっちも感じさせることはなかったワケで

更には

近所の会社勤めの父親と、普通の専業主婦の母親を持つ家庭の

その家の灯りから聞こえる楽しげな喧騒や

TVから聞こえてくるそれらしい音楽や何もかもが

幼いの頃の私には、たった独りで過す夜の怖さや淋しさを

余計に増幅させるだけのものにしか感じさせなかったためである・・・。

そのため、サンタなんてものの存在を否定させ

すっかりひねくれ、歪み切った幼い頃の私は

子供がねだるには高価過ぎるほどのプレゼントを

祖父や親に、あてつけのように冷酷に頼み

「ふん・・・買えるもんならかってみやがれ!」

ってな想いを込めながら、大嫌いな独りの夜を過ごしていたのである。

私にとってこの日の夜は、まさしく「呪われた夜」以外なにものではなかった。

そして歳を重ねるごと、益々この日の夜を呪うようになってしまった・・・。

 

このひねくれたガキの頃のトラウマは

身体が大人になっても早々消えることなく

世の中が浮かれまくるこの日の夜を

私には、ど~しても好きになることが出来なかった・・・。

人の親となった今

年の瀬の忙しさに追われる日々の、あの頃の父親の都合を理解し

母の思いも、祖父の気持ちも何となく分かる気がした。

それでもやはり、ガキの頃の忌まわしい想いに、嫌悪感が離れない・・・。

 

そんな日である昨日

建前の下準備に追われる大工さんの、慣れない仕事を手伝い

日が暮れるのが早い夕方

クタクタになりながら現場をかたずけている時

その現場近所の、昼間はなんてことないと思っていた普通の家が

夕方5時きっかりに

それは見事にライトアップしたありえない瞬間と景色を観てしまった・・・。

思わず写真を撮りながら

「うっわ~・・・このウチの人達は、エコだなんだと言えね~な。絶対・・・。」

と、背後から身震いしながら眺めてるであろう

消えかかる夕日に照らされた美しい富士山の気持ちを考えてしまった・・・。

車で帰る帰路、街中観る景色は何処もかしこも

私が理解することは出来ない雰囲気一色で

更には、年の瀬のありえないくらいの渋滞にハマり

そんな中を、車を運転中に猛烈に襲われた眠気と、私は生死をかけて戦い

それこそ生も根も疲れ果て

やっとの思いで我が家に辿り着くことが出来た・・・。

やっぱり私は、この日を好きになることは無理だと思った・・・。

 

玄関を開け、疲れ果てた私を笑顔で迎えてくれた子供達。

子供達は、私が体験したガキの頃のトラウマを

絶対にさせてはいけないと考えていた嫁さんの

血の滲む努力が実ったのか、何なのか

サンタさんの存在を信じてやまない、不思議なコゾー達となった・・・。

そんなコゾー達と一緒に家族そろって

嫁さんが特別に用意してくれた

普段は御目にかかれない豪華な食事を囲み、酒を呑んでいると

何故か失った時間を取り戻した錯覚に陥り、目頭が熱くなった・・・。

私はその顔を家族に見つからないようにそっと抜け出し

洗面所に行って顔を洗った。

洗い流した顔を上げると、鏡に映った自分の顔を見つけた。

すると何故か、白目が赤くなっている自分の顔に

幼い頃の呪われた夜の日の、あの時の自分の顔と重なった・・・。

そして少しづつ

呪いが消えはじめていると

感じさせる夜になっていた・・・・・。

 

 

 

|

« Memory of 19 Vol.7・・・ | トップページ | 皆さん良いお年を! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184770/43524127

この記事へのトラックバック一覧です: 呪われた夜の日・・・:

« Memory of 19 Vol.7・・・ | トップページ | 皆さん良いお年を! »