« ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.2 | トップページ | ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.4 »

2009年1月19日 (月)

ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.3

U2-Beautiful Day

「ドオォォォー!」という波の砕ける音が

バレルに包まれた瞬間

「コォォー・・・」と、洗礼されたようになんオクターブも高く聴こえ

そしてそのまま無音になったような気がした。

雲一つない美しい青空から

降り注ぐ太陽光線に照らされ輝く、波のカーテンに包まれたこの世界は

生きたまま天国にいるような・・・もしくは何かの神様に抱かれているような・・・

そんな錯覚を僕にもたらしてくれる・・・。

 

そこはサーファーしか知ることのない

そして全てのサーファーを魅了して止まない本当に特別な空間だと

僕はおじいちゃんに教えられた・・・。

「この特別な空間はな、本当に選ばれた特別の人間しか経験できね~んだ。

しかもよ、サーファーなら誰もが経験できるって、わけでもね~んだ・・・。」

(そう言って僕に教えてくれたおじいちゃんの言葉通り

僕も選ばれた人間になったのだろうか?

あ~・・・でも、この世界を、感覚を、僕は永遠のものにしたい・・・。

天国では波乗りができるのだろうか?)

そんなことを一瞬の間に考え

バレルの出口を集中しながら見ていると

バレルの出口の向こう側からおじいちゃんと兄さん達が僕に向かって

大きな歓声を送っているのが分かった。

僕は身構えた体の力を抜き、余裕を見せた態度を取って

胸元にかかげた左手に、軽くシャカサインを作って答えた・・・。

僕は思う・・・

こんなに興奮して嬉しい想いは何度経験してもやめられない・・・。

それに今日は、「特別な日」でも、あるから・・・。

 

ガッポリと開いた波の

最も素晴らしい部分でもあるバレルポジションを抜けると

まだまだ続く波のショルダーは

あらゆる技を繰り出せるような傾斜を保ち

そのまま遥かなインサイドまで、その素晴らしい形をキープし続けた・・・。

 

この長く美しい波の

ウネリの届かない場所であるインサイドのチャンネルで

僕のライディングに歓喜の叫びを

僕の変わりに叫んでいるかのように

身振り手振りで大騒ぎをして待っている兄さん達と

その後ろ側で

全てを静かに見守るように見つめているおじいちゃんのすぐ目の前まで

僕は波の上下を

破裂しそうな心臓と気持を昂らせながら、出来る限りのアイデアを活かし

ハイスピードを出し続ける相棒を心のままにコントロールした。

そして波は

更にインサイドにある浅いリーフの棚に差し掛かると

その美しいウネリの姿は全てが白い泡となり、消える。

僕はその浅いリーフに向かって波がヒットする前に

途中のウネリから静かにプルアウトしパドルの姿勢になると

まるで今の僕と同じように興奮した眼を輝かせ

歓喜の声を上げ続けているみんなのもとへ急いで向かう。

そして青空に向かって差し出している全員の手と

海の上で「ハイタッチ」をしながら

「イエーイ!!」

僕はいつものあいさつをみんなと交わした・・・。

 

51(フィフティワン)兄さん、52、53、54兄さんと、そしておじいちゃん。

兄さん達は誰も例外なく

僕と同じ顔に同じ体系であるが、僕は兄さん達を誰とも区別がつく。

そして兄さん達も皆、そんな僕らを誰とも区別がつく。

それに一番年下の僕だけが

そんな兄弟達の中で一人だけ、「ゴロー」と

おじいちゃんがニホンゴで考えてくれた名前で呼ばれている・・・。

そのおじいちゃんは一人

確かに僕たちと顔が微妙に似ているかもしれないが

その見た目を僕たちと比べると

当たり前だが、その姿はずいぶんと歳を取っていて

髪の毛は薄く、その薄くなった頭髪はほとんど白髪となり

顔中に蓄えた髭もそのほとんどが白くなっていた。

だけどそのサーフィンの技量を観ると

年齢を感じさせない驚くべきレベルから

恐ろしいほどの運動能力を備えていることが分かる。

そんなおじいちゃんの身体つきは

とても80歳近い老人の体とは思えないほどの筋肉が逞しく面影を残していて

何一つ無駄な肉は見た目だけでは全く発見することは出来ない。

けれどつやのない皮膚の状態と顔中を覆い尽くすしわの数が

ただ年齢と比例するかのように無数に存在し

その声と話方を聞けば

やはり結構なお歳を召した老人であることが解る。

そしてそんなおじいちゃんは何故か

同じ顔、同じ身体つきをした僕たちを

僕らみたいに誰とも区別することができるから

僕たちはいつも不思議に思っていた・・・。

それに僕らはみんな

そんな素晴らしいおじいちゃんが大好きで

そんなおじいちゃんのようになりたいと

いつもいつも想っていた・・・。

だけど僕たちはおじいちゃんのように人間らしく

老人のときを迎えることは出来ない・・・。

いや、そうなることを許されることは

決してない・・・・・。

  

 

 

 

Vol.4に続く・・・・・

 

 

|

« ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.2 | トップページ | ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.4 »

コメント

Yupee sanのshineイマジネーションshine
計り知れないですねっhappy02

読みながら主人公の世界を想像しちゃってますconfident

sign04っ早くwaveに入れるようになりたいですぅsweat01

投稿: チョロタン | 2009年1月19日 (月) 22:10

>>チョロタンさん どもども。
>Yupee sanのイマジネーション 計り知れないですねっ
いえいえ。とんでもない。
オレ、昔から何かと「妄想族」でして
一人でくだらないこと考えるのが、ただ単に好きなだけなんです・・・。coldsweats01
でもって
しっかり読んでいただいていることが何より嬉しいですね。
本当にありがとうございます!

マジで、このまま誰からもコメント無く
スルーのまま進んでしまってたら
かなりクジケルところでしたよ・・・crying

で、次回あたりから
多分・・・多分ですが・・・
面白くなる展開になる・・・と思います・・・。
つーことで
まだまだ引っ張りますんで
今後ともヨロシクですgood

投稿: Yupee | 2009年1月20日 (火) 13:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184770/43658732

この記事へのトラックバック一覧です: ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.3:

« ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.2 | トップページ | ブルー・ブルー・ブルー・・・ Vol.4 »